スキマ時間で挫折しない学習習慣を身につける方法
スキマ時間で挫折しない学習習慣を身につける方法
学習を継続することは、多くの人にとって共通の課題かもしれません。特に、学業やアルバイト、課外活動などで忙しい日々を送る大学生の方々にとって、「まとまった学習時間を確保できない」「計画通りに進まない」といった悩みは尽きないことでしょう。やる気はあるのに、つい後回しにしてしまったり、少しサボるとそのまま学習から遠ざかってしまったりすることは、決して珍しいことではありません。
しかし、毎日数時間もの学習時間を確保する必要はありません。実は、日々の生活の中に潜む数分間、数十分間の「スキマ時間」を上手に活用するだけで、無理なく学習を継続し、着実に成果を積み上げていくことが可能です。本記事では、この「スキマ時間」をあなたの強力な味方につけ、挫折しない学習習慣を身につけるための具体的な方法をご紹介します。
なぜスキマ時間の活用が学習習慣に有効なのか
スキマ時間を学習に充てることには、いくつかの大きなメリットがあります。
第一に、心理的なハードルが非常に低いという点です。「これから2時間勉強しよう」と考えると、多くのエネルギーが必要だと感じてしまい、始めるまでに時間がかかったり、結局始められなかったりします。しかし、「たった5分だけ〇〇を読もう」であれば、ずっと気軽に始めることができます。
第二に、継続しやすいという点です。短い時間であれば、集中力を維持しやすく、飽きにくい傾向があります。毎日少しずつでも続けることで、「できた」という小さな成功体験を積み重ねることができ、これが習慣化につながります。心理学においても、大きな目標よりも小さな目標を設定し、達成感を積み重ねることが行動の定着に効果的であるとされています。
第三に、積み重ね効果が大きいという点です。たとえ1回の学習時間が短くても、毎日続けることで合計の学習時間はかなりの量になります。また、分散学習の方が、一度にまとめて学習するよりも長期的な記憶の定着に効果があるという研究結果もあります。
スキマ時間を「小さな学習習慣」に変える具体的なテクニック
それでは、具体的にどのようにスキマ時間を活用し、学習習慣を定着させていくのでしょうか。ここでは、明日から実践できる具体的なステップをご紹介します。
ステップ1:自分の「スキマ時間」を特定する
まずは、あなたの1日の生活の中で、どのようなスキマ時間が存在するかを意識的に探してみましょう。
- 通学・通勤時間(電車、バス、徒歩)
- 授業の休み時間、移動時間
- 食事の待ち時間
- 友人との待ち合わせ時間
- 就寝前の数分間
- 入浴時間(リスニングなど)
これらの時間は、意識しないとスマートフォンを見たり、何もせずに過ごしてしまいがちです。1週間程度、自分の行動を記録してみると、意外な場所にスキマ時間が見つかることがあります。
ステップ2:スキマ時間で「何をするか」を具体的に決める
スキマ時間が見つかったら、「そこで何をするか」を事前に具体的に決めておくことが重要です。曖昧な目標では、いざスキマ時間ができてもすぐに取り組めず、結局活用できないまま終わってしまいます。
- 例:「英語を勉強する」ではなく、「単語帳の今日の範囲(10個)を覚える」
- 例:「参考書を読む」ではなく、「参考書の〇ページから△ページまでを読む」
- 例:「プログラミングを学ぶ」ではなく、「昨日の続きの演習問題を1問だけ解く」
このように、数分〜15分程度で完了できる、非常に小さなタスクに分割することがポイントです。大きすぎるタスクは、スキマ時間では終わらないと感じてしまい、心理的なハードルが再び高くなってしまいます。
ステップ3:必要なものを「すぐに取り出せる」状態にしておく
いざ学習しようと思った時に、必要なものがすぐに取り出せないと、それだけで億劫になってしまいます。スキマ時間を効果的に使うためには、準備が大切です。
- スマートフォンで学習アプリを使うなら、ホーム画面にショートカットを置いておく。
- 単語帳や薄い参考書なら、常にバッグに入れておく。
- PCを使う学習なら、クラウドサービスなどを活用してどこからでもアクセスできるようにしておく。
- リスニングなら、イヤホンをすぐに取り出せる場所に用意しておく。
このように、「よし、やろう」と思った時に、文字通り10秒以内に学習を開始できるような状態を作っておきましょう。
ステップ4:完璧を目指さず、「とにかく始める」ことを優先する
スキマ時間の学習は、完璧な環境や集中力を求めてはいけません。周囲が騒がしい場所かもしれませんし、疲れている時かもしれません。それでも、「たった1分でも良いから始めてみる」という意識を持つことが大切です。
たとえ目標としていた範囲を終えられなくても、1ページだけ読めた、単語を1つだけ確認できた、それだけでも立派な一歩です。「質」よりも「継続」に重きを置き、まずは始めること自体を褒めてあげましょう。この「始める」という行動自体が、脳に「学習モード」のスイッチを入れるきっかけとなります。
ステップ5:達成感を記録し、「できたこと」に焦点を当てる
短い時間でも学習に取り組んだら、その「できたこと」を記録することをおすすめします。チェックリストを作る、アプリで記録する、手帳にメモするなど方法は問いません。
これは、脳に報酬を与える行為となり、その行動を繰り返すモチベーションにつながります。また、「今日はできなかったな」と感じる日があっても、これまでの記録を見ることで「これだけ積み重ねてきたんだ」と自信を持つことができます。「できなかったこと」を悔やむのではなく、「できたこと」に意識を向けることが、継続のためには非常に重要です。
継続を妨げる障害と対策
スキマ時間活用を試みても、うまく継続できないことがあるかもしれません。一般的な障害とその対策を見ていきましょう。
- 障害:スキマ時間があることに気づかない
- 対策:数日間、自分の行動を意識的に記録し、スキマ時間をリストアップする。スマートフォンのリマインダー機能を活用して、「〇〇時に学習時間」と通知を入れる。
- 障害:いざやろうと思っても、すぐに他の誘惑(SNSなど)に負けてしまう
- 対策:学習する時間や場所では、スマートフォンの通知をオフにする、学習以外のアプリを開かないといったルールを決める。学習に必要なものだけを手元に置き、誘惑となるものを遠ざける。
- 障害:短い時間では意味がないと思ってしまう
- 対策:たとえ数分でも積み重ねれば大きな差になることを理解する。短い時間で区切ることで、集中力を持続させやすいというメリットを認識する。目標を「〇分やる」ではなく、「〇〇を1つだけ終わらせる」のように、小さな成果に焦点を当てる。
- 障害:疲れていてやる気が出ない
- 対策:どうしてもやる気が出ない時は、無理に頑張りすぎないことも大切です。ただし、「全くやらない」のではなく、「テキストを開くだけ」「単語帳を1ページだけ見る」など、さらにハードルを下げて「始める」ことだけを目標にする。
まとめ
学習習慣を身につける上で最も大切なのは、「完璧を目指さず、小さく始めて、とにかく続けること」です。そして、その「小さく始める」ための絶好の機会を与えてくれるのが、日々の生活の中に存在する「スキマ時間」です。
自分のスキマ時間を意識的に見つけ、そこで行う学習内容を具体的に決め、すぐに取り組める準備をしておく。そして、たとえ数分でも学習に取り組めたら、その「できたこと」を認め、褒めてあげる。このシンプルなステップを繰り返すことで、無理なく、着実に学習を継続できるようになります。
今日から、まずはたった5分、10分でも良いので、あなたのスキマ時間を学習に充ててみませんか。その小さな一歩が、未来の大きな成果へとつながるはずです。継続は力なり。あなたの学習を応援しています。